福井のニートは「上京」の夢をみる 第九話「断食」

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東京へ来てから、カツカツの生活を送っていた。

 

元々、7万円しか持たず上京してきたことと、その7万の内の半分を最初の2日で使ってしまったからだ。

節約をしなければいけないと思った僕はある行動をとることにした。

 

断食だ。

節約するには、食費を浮かすのが一番簡単だと思ったからだ。

 

断食初日。

 

余裕だった。

 

断食を始めるということで、前日の夜に大好きなマックのチキンクリスプを3つ食べた、僕のコンディションは抜群だった。

断食初日の午前中は前日のチキンクリスプの余韻に浸ることで、空腹は感じられなかった。

午後は少し、お腹が空いたが我慢できるレベルだった。

 

「この調子なら、軽く1週間は断食出来る!」

この時は、そう思っていた。

 

2日目。

腹ペコだった。

前日何も食べなかったことで、2日目はさすがにお腹が空いた。

 

コンビニや飲食店を見るたびに、

なぜ断食をしているのか分からなくなる時が何度かあった。

 

大好きなマックの前を通ると、

「もう断食辞めて、入ろうかな」

と誘惑に負けてしまいそうになった。

 

しかし僕は耐えた。

 

電車内でパンを食べてる学生が羨ましく思えた。

 

しかし僕は耐えた。

 

帰り道のコンビニでパンを買うことなく自宅に帰る。

 

 

3日目。

腹痛に襲われた。

その日は、腹痛で目が覚めた。

原因は分かってる、空腹だ。

目覚めた瞬間そう確信した。

 

その日、僕は半日布団の中で過ごす。

 

その後、耐え切れず、すき家へ向かい牛丼特盛を食べ、

断食生活は3日目で幕を閉じた。

 

断食を試した結果、食費を浮かすのはきついという当たり前のことに気づく。

 

次は、何を節約しようか。

 

続きはこちら→ 第十話「パン工場も辞めます」

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