『診療所経営の教科書』を若手医師が読んだ感想書くよ

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診療所経営の教科書【第2版】〈院長が知っておくべき数値と事例〉

『診療所経営の教科書 第2版<院長が知っておくべき数値と事例>』

 

今年は年間100冊以上本を読むことを目標に、黙々と本を読み進めています。

当然興味のある内容に、医療関係もあるため、

どうせなら簡単に内容や感想を書いていこうと思い、読書録として書きます。

 

これまで、大学病院や大きな病院にしか勤めていなかったのですが、先日開業医のクリニックに見学にいかせてもらい、医療としてとても大きな役割を背負っているということを実感しました。

それ以降、クリニックという形態にも興味を持って、今回の本を読んでみました。

 

特に、自分の中で興味深かった内容をピックアップしてみます。

 

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一般的な診療所でのマジックナンバー
(医療機関コンサルティング会社 メディヴァの意見)

・診療所の外来患者数 40人/day
日本全体の平均。院外薬局で単価5200円と仮定して、月額525万の売り上げ。計算上、院長の所得は190万で、平均的な個人経営の院長はこれくらい。
→1日外来患者40人とすると、1人あたりの診察時間は10分程度

・診療所の粗利(原価率を考慮)は、初診・再診料29%、医学管理等17%とこの二つで半分占める。

・初診率の目安は10%

・診療圏は都心で500~1000m、郊外で3kmを目安
→都心なら徒歩で7分、郊外なら自動車5分に相当
→外来主体のクリニックならこの範囲の人口や競合をチェック
・一般的な内科開業なら医療圏に2000人程度必要(競合なしの場合)

・内科診療所の損益分岐点は年収6000万
年間300日稼働、患者単価5200円で計算して、1日36人程度

・2025年には36万人の看取りができなくなる
→病院での看取りは98万人程度、あまり増えない。介護施設と自宅で26万人。このままでは年間36万人の看取りができなくなる。

・高い点数がつくのに「在宅療養支援診療所」が増えない理由は?
メディヴァ社の医師へのインタビューによると、患者の集め方がわからない、在宅医療をやったことがない、24時間365日対応が不安、などとのこと。
筆者は、法人内or法人を超えて、複数の医師が手を組んで機能強化型在宅療養支援診療所となるのがカギか、と述べている。

・1日在宅患者6~7人訪問すると、外来1日40人と同じになる。施設の在宅患者なら1日155人。
→コンサルト会社としては、外来だけでなく在宅医療をぜひ検討してほしい

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こういった風に、医療現場を経営的な視点でみたことはなかったためとても興味深かったです。

そして、やはり医師にはこういった経営や運営資金に関するような感覚は乏しいのだろうなと感じました。

これからもどんどんいろいろな本を読んで勉強していこうと思います!

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