研修医から実習に来る医学生へ「これだけはやめてくれ」

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こんにちは、次郎作こと布施田泰之です。

4月から研修医として働き始めて、

僕の元にも病棟に実習にくる医学生さんがつくようになりました。

 

学生時代お世辞にも真面目とは言えない実習参加率だった僕は、

学生さんの振る舞いにはかなり寛容だと自負しています。

 

サボりたそうにしていれば、すぐ帰れるようにパスを出すし、

学びたそうにしていれば、患者さんの経過を説明して時には教科書をコピーして渡してあげています。

 

また、

僕もゆとり世代の真っただ中でゆとり代表くらいの気持ちなので、

ゆとり発言にもかなり寛大です笑

 

でも、「さすがにこの子は働き始めたらやべぇだろうな」って医学生がいたので、

読者の医学生のみなさんは気を付けてください、という意味で記事を書こうかなと思います笑

 

 

今僕が回っている科では、毎週ある曜日の朝に大きなカンファレンスが開かれます。

他の科も合同で行う、各科の教授が集い30人以上の医師たちの前で、

スクリーンに映したスライドを使いながら患者さんのフルプレゼンを行う、かなり厳かなカンファレンスです。

 

そこでは、基本的に学生か研修医が症例をプレゼンします。

僕も学生の時にそこでプレゼン(原稿を読むだけ)をしましたが、かなり緊張したのを覚えています。

 

ということで、僕が研修医になった今でも学生さんにプレゼン出来るように指導し、発表してもらっています。

 

ちょっと真面目そうな子だったので、

「スライド作るところからやってみたい?」

と聞くと、

「出来れば避けたい」とのことでした。

僕が学生の時も同じことを言っていたので、これに関しては全く気になりません笑

(むしろ、手術の予定が入った時点でスライド作りを終えておくので、スライド自体は出来上がってました笑)

 

ということで、プレゼン前日に出来上がっているスライドを、発表の原稿付きであげて、

「あの雰囲気の中、ちゃんと音読出来るってことも大事な練習だから」と学生さんに言いました。

 

 

そして、朝のカンファ当日。

1時間ほどのカンファが半分くらい終わり、僕の科のプレゼンの順番がきました。

僕の科からは5例発表があったので、

4例を先に僕が終わらせました。

 

(はい、学生さん、次は君だ)

 

と、後ろを振り返ると、誰もいません。

 

 

僕はキョドりました。

 

 

すぐそこには、自分の回っている科の教授も含め4,5人の教授たちがこちらを見ています笑

 

 

僕は、声にならないような声で、

「ぁれ・・・がくせぃさん・・?」

とボヤキましたが、状況は一向に変わりません。

 

 

ここで、キョドるのが嫌いな僕はキョドるのをやめました。

(待て、発表のスライドを作ったのは僕だ)

(そもそも、いつもほぼ原稿なしで発表してるじゃないか)

(しかも、原稿が必要な部分に関しても、ポケットの中にそれがある!!!)

 

 

「あ、次の症例お願いします。」

何事もなかったようにそう言って、プレゼンを始めました。

 

急なことで少し足と声が震えちゃいましたが笑、

他の症例とほぼ変わらずプレゼンすることが出来ました。

 

 

 

・・・ふぅ

なんとかなった~・・・笑

一歩間違えれば大惨事だな、これ笑

 

まぁ、別に大した害はなかったし、多分寝坊とかだろうから、

学生さんを怒るのはやめておこう。

でも、さすがにすぐ謝りにくるだろうな笑

 

くらいのことを思いながら、その日の業務に戻りました。

 

・・・

・・・

・・・

・・・

・・・

気付けば、いつの間にか午後4時半

学生さんは、他の用事のついでに現れました笑

 

 

学生「朝はすいませんでした。電車が遅延しちゃって」

僕(ん・・・?まず、カンファは1時間もあるぞ?1時間も遅延したのか?)

(まぁ、ウソと分かりきってることでも、本当のように接してあげるのも優しさか)

僕「あ、そうなんだね。でも、まぁ何事もなかったようにおれが発表しといたから大丈夫だよ」

僕(反省しちゃってるだろうから、気の利いたことでも言おうかな)

僕「まぁ、まだ学生だし、大丈夫だよ」

 

 

学生「ですよね!! 学生だから大丈夫かなと思って !!(ニコッ)」

 

・・・

・・・

・・・

・・・

・・・

いやいや・・・

・・・

・・・

・・・

・・・

ゆとりかよ!!!笑

 

 

思わず、

「それ、君の言うことじゃないよね笑 (オコ)」

って、ツッコミました笑

 

 

ゆとり耐性のない、僕の科の上の先生方はまぁまぁ怒ってましたが笑、

僕としては、上の先生方に、

「ナイスリカバリーだったよ」

「よく堂々と発表できたね」って言ってもらえて勝手に評価上がったので、ヨシとしてます笑

 

よくよく聞いてみると、

カンファ後に僕がある処置中に学生からピッチ(院内で使う連絡用の携帯)に電話がきて、

僕の代理で出てくれた先生に、

「布施田先生何してますか?あ、それなら終わったらかけなおしてくれるように言っておいてください」

って言っていたようで、

代わりにピッチに出た先生が「いやいや、普通謝りに来るでしょ」って怒ってました笑

 

 

僕はポジティブなので、

「話のネタが増えた」くらいにしか今も思ってませんが笑、

怒る先生は怒ると思うので、医学生のみなさんは気を付けてください。

 

学生が少しいたらなくて迷惑をかけるのはいいんです。

でも、

「迷惑をかけたと思ったらちゃんと誠意を持って謝る」

もしそれ以前の問題だとしたら、

「迷惑をかけたということをちゃんと認識する」

くらいは、人として出来た方がいいんじゃないかなと思います。

 

 

 

・・・

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・・・

・・・

ふと僕は、その学生さんの将来に思いを馳せました。

(きっと、あの学生は働き始めていつかメチャクチャ怒られてしまうんだろうな)

(僕もゆとりだったから、彼に悪気がないのは分かるんだよなぁ・・・)

(なんて諭せば、彼のためになったんだろう・・・)

 

 

少し考えすぎかもしれませんが、僕は、

「すれ違う人生にも、いつも全力で」と思ってます。

そして、それは医師としての心構えでもあります。

 

そんな誠意が、僕が接する全ての人に伝わると信じてます。

 

 

 

 

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