どうも、次郎作こと布施田泰之です。
今日は、研修医なら一度は見たこと・聞いたことがあるだろう抗菌薬の参考書の感想を書こうと思います。
それは、こちら。
”抗菌薬の考え方、使い方”
若くして神戸大学の教授を務める、日本感染症界をけん引する「岩田健太郎」先生の著書で、
研修医が学ぶべき抗菌薬の参考書として、この「抗菌薬の考え方、使い方」はかなり有名だと思います。
しかし、多くの方が読むのを躊躇しているのではないでしょうか。
多分それは、530ページにも及ぶ厚い超大作であることが1つの理由だと思います。
先週末の土日、12時間かけてこの参考書を通読した僕が1言感想を言わせていただきます。
文章読みにくっ!!!
脱線しまくり、言いたいこと分からない、批判させるの怖れて無駄なこと書きすぎ。
でも、
実践的な抗菌薬の使い方を書いた276ページ分に関しては、
その読みにくさを持っても余りあるくらい役に立つし面白い!!!
って感じです。
ビビりました。
研修医になってからもう20冊ほどの参考書を読んできましたが、
こんなに読みにくい文章は初めてみました笑
分かる人には分かると思いますが、救急の参考書を多く書いている「林先生」という有名な方がいるのですが、
あの人が書く、冗談や口語体を織り交ぜたような砕けた文章に少し似てます。
そこに、おそらく絶対批判されたくないのでしょう、書かなくていいような無駄な自己防衛のためだけの文章が散見されます。
ただ、
この参考書は、抗菌薬の実践的な考え方、使い方について言及してくれる、
142ページから416ページまでの275ページだけを読むべきです!!
むしろ、そこだけ読むと考えると、
さっきまで僕が批判していた、話の脱線や細かい知識についても役に立つものがとても多いです。
かなり興味深いし、かなり実践的な話を書いてくれています。
内容のレベルとしては、
・抗菌薬の名前を聞いたらその抗菌薬の特徴がふわっと分かる
・市中肺炎、誤嚥性肺炎、尿路感染症、蜂窩織炎、細菌性髄膜炎などと聞いて大体あの抗菌薬使うんだろうな~と分かる
・抗菌薬は簡単な参考書1冊使って勉強した
くらいの知識レベルの段階で読むと一番知識の吸収率がいいと思います。
数か月前の僕みたいな、
・セフタジジム?え、なにそれ?
・ゾシン、え、何系の抗菌薬だっけ?
・え、腸球菌?・・・2種類いるの!?
みたいな状態で読んでもそこまで身にならないかもしれません。
さすがに、感染症で生きてきた先生の経験と知恵が詰まった部分は読みごたえがあって、
100%読んでよかったと思える参考書でした。
何度も言いますが、まだよく抗菌薬の名前があやふやなタイミングで読む参考書ではありませんよ!
文章の読みにくさの前にひれ伏して、何も得るものがないまま参考書を閉じることになります。
最後にまとめると、
この参考書は、
少し抗菌薬が分かってきた段階で、
抗菌薬の具体的な使い方を解説してくれる部分だけを読むと、
かなりためになる参考書、
ってことになります!
読んでみてください!!
ちなみに、
今武蔵野赤十字病院で研修していて思い知ったのですが、
本当に理論的な抗菌薬の使い方を学びたいなら、
しっかりとした感染症科がある病院で研修すべきですね!!
抗菌薬の使い方について、ここまでみんながちゃんと考えてやっているんだなと感動しました。
グラム染色もガンガンやりますしね笑
僕もあと1ヶ月で吸収できることは全て吸収していこうと思います!
さらっと土日潰して抗菌薬の勉強をしている僕を応援してください↓笑