どうも、次郎作こと布施田泰之です。
お久しぶりです。
今回は、精神科を回っていた時に読んだり買ったりした参考書をご紹介したいと思います。
“精神科 研修ノート”
10段階評価
★★★★★★★☆☆☆
読破 ×
感想
地味に評価している「研修ノートシリーズ」です。
網羅系の参考書が欲しいけど数万の教科書まではいらない、という時に最低限がまとまっていて便利です。
その「研修ノートシリーズ」の中でも、精神科はかなり特殊でした。
第1章「精神科研修へのアドバイス」
第2章「精神科研修でマスターすべきこと」
という、医学的な内容に入るまでに273ページも割いているからです。
精神科研修へのアドバイスの中の、若手精神科医からのメッセージの一部を引用してみます。
”医師は「Medical gaze」を身に付けて医師になります。一般的に力こぶに見えるものが、発達した上腕二頭筋に見える非常識な「医師の目」を身につけることが、医師になるということです。これまでの研修を経て医師になったあなたが、これから「精神科医になる」ということは、また1つ非常識になるということでもあります。非常識にならなければ精神科医の仕事はできませんが、その非常識さが人を癒すこととは180度正反対を向くことがどうやらあります。精神科医に「なる」過程で覚えた違和感こそが、われわれが精神科医という非常識な人間でありながら、人を癒す仕事をできるようになるための気付きにつながるように思います”
その他にも、相方が統合失調症患者であるお笑い芸人の「松本ハウスの松本キック」からの寄稿もありました。統合失調症の当事者の文章も載っています。
患者やその家族の文章を載せた参考書を、僕は他に知りません。
それだけ、この参考書を編集した精神科の先生が研修医に精神科疾患の社会的影響を感じ取ってもらいたいんだと思います。
少し感銘を受けたので、多めに感想書いてしまいました笑
“本当にわかる 精神科の薬 はじめの一歩”
10段階評価
★★★★★★★★☆☆
読破 〆
感想
精神科の薬の機序や、抗精神病薬・抗不安薬・睡眠薬と並べられてグループ分けやその作用機序が頭に浮かばないような研修医は絶対読んだ方がいいです。
恥ずかしながら僕も、エビリファイとかレスリンとかジプレキサとか聴いてどの薬がどういった作用機序でどういった時に適応か全く理解してませんでした。
薬の名前を聴くたびにこの参考書を読み返すようにしてやって頭の中が整理されてきました。
研修医1年目でやっとくべきだったなぁと反省しました。
数時間で読めるのに得るものが多い参考書、つまり研修医におすすめする参考書の1つです。
星8つ!!!
“精神科の薬がわかる本”
10段階評価
★★★★★★☆☆☆☆
読破 〆
感想
インターネットで「精神科 研修医 参考書」で調べるとけっこう出てくる参考書です。
一個上で紹介した参考書に比べ、さらに精神科医が使った実感や使い方を書いてくれている印象です。
しかし、個人的には、精神科としてどうやって薬を出すかよりも、基礎の知識から足りていなかったので上の参考書の方をおすすめしておきます。
“援助者必携 はじめての精神科”
10段階評価
★★★★★★☆☆☆☆
読破 〆
感想
こちらは、著者が赤裸々に精神科疾患やその対応、限界にまで言及している参考書で、良くも悪くも等身大の現在の精神科診療が垣間見える参考書となっています。
精神科医だってイライラするんだなぁとか、現在できる薬剤療法の限界なんだろうなぁとか、感じながら読みました。
“データで読み解く発達障害”
10段階評価
★★★★★★★☆☆☆
読破 ×
感想
僕が精神科の研修をした病院では、発達障害(特に自閉症)に対する教室も開かれていました。
自閉症の診断となった子どもたちに、目で見て分かるスケジュールを用意したり、ここは勉強するスペースでここは遊ぶスペースなどと場所と役割を一致させたりすることで、自閉症の子供たちも時間割に従って過ごすことが可能となっていました。
小児科志望ということもあり、実際発達障害はどれくらいの頻度でいるのかとか、どういった方法で診断してどういった治療が行われているのか、などが気になったので買って読んでみました。
疫学や、現在想定されている原因、施行されている治療など過不足なく記載されていてとてもためになりました。
もし、同じような興味がある人にはお勧めです。
以上、精神科の研修にあたって参考にした参考書を紹介しました!
有名どころの精神科疾患の特徴や、各々の薬物療法、またその薬物療法の特徴くらいは頭に入っているとよいのかも知れません。参考にしてみてください!
↓応援よろしくお願いします!