東京医科歯科大学合格体験記Ⅵ

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次郎作です。

みなさんお待ちかね、「東京医科歯科大学合格体験記シリーズ」堂々の完結編です。

受験に向け必死に勉強してきた受験生の、受験当日の心の葛藤を生々と描いています。

けっこう本気で受験中に、「もう無理だから、会場抜け出してホテル帰ろう」と思いました笑

100%、1話目から読んだ方が面白いので、よかったら一読ください。

 

”東京医科歯科大学合格体験記Ⅰへ”


 

 

おれは10年分以上の過去問を解いた。

医科歯科の英語はクセさえあるもののほとんど傾向は変化せず、出題されてきていた。

 

しかし、今年の英語は出題に変化があったのだ。

おれははじめ理解できてなかったが、同じ受験教室の人たちも分かっていなかったらしく質問が出た。

 

「この大問1,2は医学科の人は解かなくてもいいってことですか?」

「解答用紙もその部分は白紙でいいんですか?」

 

その質問を受けて受験監督がみんなにむかって、

「この教室で医学科を受験しているみなさんは、大問1・2は解答しないでください。解答用紙もその部分は書き込まないでください。」

と言った。

 

多少焦って理解しかねていたおれもその説明で完全に理解した。

ただ得点源と考えていた大問1、2が解答できないのはあまり喜ばしいことではなかった。

 

医科歯科の英語の大問1は英単語の問題で特徴的である。

というのは、少し難しめの単語が文中にでてそれと意味が近い英単語を5択で選ぶのである。

だから文脈から推測することも大事になる。

 

しかし、おれはここで推測する時間すらも短縮しようと英単語に力を入れて暗記してきていた。

解答はできなかったが、見た感じ今年の問題も全部意味がわかった。

シス単を頑張っていたのもこの大問1のためであった。

 

また、大問2はtheやtheyなどの指示語がなにを示しているかを問う問題で文章が読めていれば簡単な問題だった。

 

 

だが、もうそんなこと振り返ってもしょうがない。

考えようによっては最後の要約の時間が多くなるならプラスかも知れない。

 

 

 

さぁ。

今からおれの合格をかけた戦いが始まるんだ。

この英語の出来不出来ですべてが決まる。

 

 

 

「それでは、解答を始めてください。」

 

さて、落ち着こう。

まずは全部の設問に目を通そうか。

 

大問3の正誤問題はまた増えたな。ついに24つか。

大問4、いつも通り。

大問5、2題になったが内容はいつもと同じ。

大問6、最大の関門の要約。ただおれの好きな300文字でよかった。

 

 

英語に関しては、過去問を研究する時に一番戦略を考えていた。

なぜなら医科歯科の英文は1500ワードと超長文であり、単語や正誤問題についても一度全部読み切ってからというのは難しいのだ。

つまり文章を読みつつ設問に答えていくことになるが、そのタイミングをどうするかが悩みどころであった。

 

あまりに頻繁すぎると英文を読むスピードが遅くなるので、おれは1ページずつと決めていたのだ。

そのストラテジーのもと、英文を読み進めていく。

 

 

なるほど。

興味深い!

 

絶好調とは言わないまでもかなり好調に読み進めることができた。

 

 

正誤問題はどうせ2分の1だからと、悩まないようにした。

英文和訳はものすごく簡単で絶対あってる自信があるほどだ。

 

次に要約にとりかかろう。

予定通り30分以上要約に時間を取れる。

 

これはいけるぞ。

 

英文の内容は簡潔にいえば、

無秩序はさらなる無秩序を呼ぶ、というものでありおれがものすごく好きな分野の話だった。

それゆえか、要約も自分でも納得のものが書けた。

 

 

いける。

これはいけるぞ。

 

もう10分も時間は残っていなかったが、大問4の英問英答の問題を3つ残してしまっていた。

(1)と(2)は似たような設問に思えたので全く同じ答えを。

(3)にも簡単な英語で語数を稼いで書き終えた。

そこで試験終了。

 

 

 

手ごたえあり!!

 

合格の可能性は0じゃない!!

 

120点中100点はとれたんじゃないか。

嬉しさがこみ上げる。

 

 

よくやった、おれ。よくやった。

よく最後までやりきった。

 

全力で自分をほめた。

 

 

 

ただ数学0完のことが頭にこびりついて離れない。

むしろ英語が終わり、試験が終わってから時間がたつにつれ数学0完という事実がおれに重くのしかかった。

英語の手ごたえによる喜びはつかの間のものであった。

次第に数学0完による絶望がおれを支配していった。

ホテルに帰る準備をしながら、早く後期の小論文の対策をしなければいけないと考えていた。

 

 

 

そういえば、自分自身とそういう約束だったのだ。

おれは数学の試験の直後、絶望の渦中にいるときに

「悲しむのは試験が全部終わってからでもできる。今マイナスの感情を抱くと試験に悪影響が出るかもしれない。だから、悲しむのも絶望に打ちひしがれるのも試験が終わってから思う存分しよう。その分今は頑張ろう。」

そんなことを思っていたのだった。

 

 

ホテルに戻り次第親には、

「数学がひとつも完答できなかったから、落ちてると思う。いや~いけると思ってたんだけどな・・・」

とだけ言っておいた。

 

 

その日の夜、次の日の面接に備えるべきであったがお笑い番組を見ていた。

 

お笑いが好きでお笑い番組はしっかりチェックしていたが、高3になってテレビを見なくなっていた。久しぶりであった。

おもしろかった。しかし、心から笑えなかった。

99%は落ちていると考えていた。

 

 

風呂では今までの勉強を頑張ってきた日々のことを思い出し、自然と涙が出た。

図書館で相棒と一緒に勉強したことも、学校の自習室の一角を占領して勉強したことも、人知れず自分の家で勉強したことも、全部おもいだしていた。

 

また、合格の可能性1%のことをずっと考えていた。

数学でかき集めて50点、物理も50点、化学は・・・・・・

 

 

色々な思いが錯綜し、色々な思い出がよみがえった。

 

最後にはこれから一週間、後期試験にむけて全力をだすこと、

またこれから一年、浪人の覚悟をする、ということを誓った。

 

 

寝る直前、面接ノートを開き

まぁ気楽にやろ。

そう思って寝た。

 

 

 

 

 

 

受験にドラマなんてない、そう考えていたやつの劇的な一日、

運命の決戦の日はこうして幕を閉じた。

 

 

 

 

終わり。

 

 

 

 

 

 


 

合格体験記を書いてから6年の月日が経ちました。

僕は来春から医師として働き出します。

6年前の受験の日思い出して書きました。

東京医科歯科大学合格体験後記 ~あの日から6年~”
[Photo by Wikipedia]

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