腎臓内科を回った研修医の僕が、購入したオススメ参考書9冊の感想書くよ

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こんにちは、次郎作こと布施田泰之です。

新しい病院での生活も2か月目に入り慣れてきて、ゴールデンウィークもなかなか休ませてもらえたので、元気いっぱいです。

 

さて、最近も色々とブログは書いてきているんですが、

やっぱり同期や後輩に圧倒的に好評なのは、買って読んだり使ったりした参考書の紹介記事、なんですよね笑

なので、1年目の最後に腎臓内科を回った時に使った9冊の参考書を、いつも通り10段階評価と共に紹介したいと思います!!

 

  1. “極論で語る腎臓内科”

・10段階評価

★★★★★★★★☆☆

・読破 〆

・感想

僕が各科をローテーションする前に読むことを推奨している「極論シリーズ」

腎臓内科編もかなり素晴らしいデキとなっています。

たしか、4時間くらいかけて読んだんですが、

急性腎障害・輸液・酸塩基平衡と血ガスの読み方・Na,K・慢性腎臓病まで、

腎臓内科の基本を読破するだけで、一望できるようになっています。

僕は回る前に読むのを忘れてしまって、最初はチンプンカンプンで腎内の研修を始めてしまったので、やっぱりローテート前の週末に読んでおくべきだったなぁと後悔しました。

極論で語る腎臓内科、おすすめです!

 

  1. “血液透析患者マネジメント”

・10段階評価

★★★★★★★☆☆☆

・読破 〆

・感想

この参考書は、ついた上級医の先生から教えていただいたのですが、透析患者をみる上で必要なことがギュッと詰まっていてかなり良書でした。

・透析患者の貧血は正常値以下のHb10~12程度でコントロールすると予後がいいよ

・透析患者はもちろん腎性貧血になるからエリスロポエチン製剤使うけど、透析してるだけで年間1g以上の鉄失うから補充しないと絶対鉄欠乏性貧血にもなるよ

・その2つはフェリチンだけじゃなくてトランスフェリン飽和度もみて鑑別しようね

・血清Ca, P, intact PTHは正常に保つと生命予後よくなるからちゃんとコントロールしようね。そいつらを調節するにはこんな薬剤があるよ。

などなど、透析患者を診ていく上で必要なことが盛りだくさんでした!!!

透析患者を持つ研修医にはお勧めです!

 

3. “考える腎臓病学”

・10段階評価

★★★★★★★★☆☆

・読破 〆

・感想

腎臓っておもしろ!と思いながら、読んだ名著です!!!

理論的に腎臓の働きを読み解きたい人にはメチャクチャおすすめです。

読書がてら腎臓に詳しくなりたい好奇心旺盛な人には絶対適応ですね笑

最近読み返して面白かったのは、

4月に循環器内科回っていた時に「慢性腎不全の予後を改善する薬剤は3つともRAS系を抑制することによる(のではないか)」「しかし、ラシックスを40mg以上必要とする慢性心不全患者では、ループ利尿薬自体でRAS系を強く刺激するために予後改善効果が帳消しになってしまう」ということを聞いたのですが、

この名著ではループ利尿薬でなぜRAS系が強く刺激されてしまうのかも書いてありました!

以下、引用

(レニン分泌刺激の重要な要素として、尿細管糸球体フィードバックがある。これは緻密斑に到達したクロールを感知して糸球体に伝えるものであった。緻密斑の細胞はクロールを再吸収し、その量を糸球体に伝えているのであるが、その再吸収のメカニズムがHenleの太い上行脚と同じNa-K-2Cl共輸送体によるものである。したがって、ループ利尿薬を投与すると、緻密斑細胞でクロールの再吸収は停止し、管腔内のクロールがゼロになったのと同じ状況になる。そのためにレニン分泌は強力に刺激される)

どうですか!?面白いですね!笑

こういった感じの病態生理から理解したい人はおすすめです。

 

4. “腎臓病診療に自信がつく本”

・10段階評価

★★★★★★★☆☆☆

・読破 2/3

・感想

これも読みごたえがありました。

電解質異常や酸塩基平衡の話はもちろん、慢性腎不全患者の食事指導などまで、

プロブレムごとにしっかり章立てされているので、自分が気になるところだけ読むといった使い方でも十分に役に立ちます。他の参考書よりも詳しいところまで書いてくれている印象でした。

臨床に即していて、参考にするとかなりためになります。

 

5. “INTENSIVIST AKI特集”

・10段階評価

★★★★★★☆☆☆☆

・読破 半分

・感想

腎臓内科回っている時に、AKIの緊急対応したのですが、

病態ややるべきこと、どういった流れで治療していくのか全く分からなかったので、ちょっとマニアックですが買って読んでみました。

インテンシヴィスト自体は、救急・集中管理の分野で有名な雑誌で、

AKIの場合は、どういった歴史でAKIという病態が認識されていったのか、どういった病態生理が考えられているのか、急性期に腎臓内科専門医がみるポイントはどこか、どうやって対処するか、までAKIのまつわることがかなり詳細に述べられています。

インテンシヴィスト自体は最新の知見もどんどん入れてくる雑誌なんですが、このAKI特集は2009年発刊なので少しだけ古いのが難点です。

少しマニアックなので星は少なくしましたが、好きな人にはおすすめです。

 

6. “腎生検診断Navi”

・10段階評価

★★★★★★☆☆☆☆

・読破 〆

・感想

正直に言うと、研修医は腎生検結果なんて理解しなくてもほぼ支障はないし、腎臓内科にすすまない人が理解する必要はないと思います。

僕は個人的に病理学が好きなので(病気がみえるから!)、読書がてら読んでみました。

かなり分かりやすくて写真も多くて勉強になりました。

唯一よかったのは「C1qが染まる腎炎って知ってる?」という上級医の質問に、「ループス腎炎ですかね」と答えて、「おぉ」と言ってもらえたことくらいですかね笑

 

7. “腎疾患・透析 最新の治療 2017-2019”

・10段階評価

★★★★☆☆☆☆☆☆

・読破 ×

・感想

これはミスりました。絶対必要ないです笑

少し時間があったので、最新の知見でも読みたいなと思って買ったのですが、

研修医が読む必要のあるものではありませんでした。

電解質異常などの対処ものってるのですが、それらに関しては他の参考書で十分に補えます。

 

8. “輸液を学ぶ人のために”

・10段階評価

★★★★★★★★☆☆

・読破 〆

・感想

これは研修医なりたてで読んだ輸液の概念について書いた参考書ですが、

本当に名著です!!!

全く輸液に触れてこなかった研修医1年目の春に、輸液を勉強する1冊目に最適な参考書だと思います。

輸液のだいたいのイメージがこの本を数時間読むだけで構築されました。

1年目の研修医の人は、必読だと思います!

 

9. “体液電解質異常と輸液”

・10段階評価

★★★★★★★☆☆☆

・読破 ×

・感想

電解質や酸塩基平衡の参考書として、1番有名といっても過言でない参考書がこれです!

僕も総合診療科を回っていた時に、低Na血症・高Na血症・低K血症・高K血症の治療・鑑別でかなりお世話になりました。

かなり詳しく、電解質異常はこの1冊でいいと言われるほどの有名参考書です。

勉強したい人は是非買って読んでみてください。

 

 

以上、僕が腎臓内科を回っていた時に読んでいた、9冊の参考書の紹介でした!

腎臓はやっぱり全身に影響を与える臓器で勉強していて面白いなぁと感じてました。

是非、みなさんも興味があった参考書を読んでみてください!

 

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