こんにちは、次郎作こと布施田泰之です。
やっと多忙な循環器内科の中でも、一番患者数の多いグループでの研修が終わりました。
大学とのリズム感の違いに戸惑いましたが(3日で緊急入院7人、入院11人とか!)、
なんとか終わりました。上の先生が死ぬほど仕事出来るおかげです。
慣れない環境と忙しさで、あまり勉強の時間が取れなかったのがかなり惜しいですが、
1ヶ月で死ぬほど症例は見れたので、徐々に振り返りながら勉強深めていきたいと思います。
そこで、僕が購入して参考にしていた、7冊の参考書を10段階のオススメ度と共に紹介したいと思います!!
まずは、これ!
- “極論で語る循環器内科”
・10段階評価
★★★★★★★★☆☆
・読破 〆
・感想
僕が各科を回る時に事前に読んでおくようにしている「極論シリーズ」は、その科の専門家が代表的な疾患の大事なエッセンスを書いてくれていて、4時間ほどで通読できるというコスパ最強の参考書です。
時々ハズレ(今のところ総合診療)もありましたが、神経内科・腎臓内科・循環器内科と読んできて、「読書系の参考書」としては今のところ最強です。
今回も循環器を回る前に、読んでおいたのですが、
・心筋梗塞で、実は30%も死亡率を下げるエビデンスがあり一番大事とも言えるのが、アスピリンの内服(腸溶薬なのでボリボリ噛ませる)
とか、
・PCIで使用するIVUSの説明(恥ずかしながら見たことなかったから知らなかった・・・笑)
とか、
・スタチンの強力な心血管イベントの減少効果(なんとLDL正常範囲の患者でもイベント発症を抑える笑)があるが、日本人は横紋筋融解症のリスクが高いかも?
とか、
4時間ほどで通読するだけで循環器の専門家の当たり前、がある程度身に付きます!
この極論シリーズの走りとなったのが、この循環器内科なんです。
ベタ褒めしてますが、辞書的な使い方ではなくて通読してだいたいのイメージをつかむ、って感じの使い方になると思います。極論シリーズはかなりおすすめです!
2. “心電図の読み方、診かた、考え方”
・10段階評価
★★★★★★★☆☆☆
・読破 〆
・感想
循環器を回っている間に心電図に強くなろうと読破した参考書です。
心電図の勉強の1冊目は↓これで行って、
心電図への抵抗は減っていたのですが、この本は「正常な心電図を正常と自信をもって読む」ための参考書と紹介されるような、心電図の勉強の入りのような参考書のため、
異常がどういった異常なのか、その異常はなぜ起こっているのか、どう対処したらいいのか、と言った部分にまで踏み込んでいる本書はなかなか読み応えがありました。
正統派の心電図の読み方を、多くの症例を踏まえて説明してくれます。後半は全部症例ベースだったので読みやすかったです。
心電図の参考書として名高いのは次に紹介する参考書なのですが、通読系の参考書としてはこの参考書も面白いと思います。
3. “心電図の読み方パーフェクトマニュアル”
・10段階評価
★★★★★★★☆☆☆
・読破 ×
・感想
言わずと知れた名著。循環器内科を回った研修医はだいたい持ってるんじゃないでしょうか笑
内容はかなり細かいけど、実践的で、辞書的な使い方をしている人が多いのではないかと思います。
正直1冊目に通読しても勉強効率がいいような参考書ではないですが(あくまで僕の読書勉強法の場合ですよ!1冊目から細かく勉強する人は1冊選ぶならこの参考書がいいと思います)、ある程度勉強してから読むと色々と深みが出ていいです。
この前、上級医と一緒に心電図読んでmobizII型の房室ブロックだと焦ってコンサルトした症例が、全然違って、この参考書に房室ブロックと間違えやすい波形として紹介されてて、ハッとしました。
ちゃんと勉強していれば読めたんだなぁ。
いずれ通読予定です。
4. “循環器治療薬ファイル-薬剤治療のセンスを身につける”
・10段階評価
★★★★★★★☆☆☆
・読破 ×
・感想
循環器の薬の使い方を考え方や感覚から書いてくれている参考書で、これも有名参考書ですね。
僕は一応不整脈グループだったので、他の科では使わないような抗不整脈薬をガンガン使ってました。
どういった感覚で使っているのかなぁ、どういった機序で効くのかなぁ、といったことに答えてくれて辞書的に使ってました。作用機序からと病態からの2方向から循環器の薬の使い方を説明してくれてとても分かりやすいです。
ちなみに、やっぱり抗不整脈薬でも利尿薬でもカテコラミンその他の薬でも、作用機序を調べるのは↓「薬がみえる」がかなりおすすめです。
友達とノルアドレナリンの使い方について話し合ってる時に、カテコラミンのα1作用、β1作用を理解してなかったことに気付き、後で一人で恥ずかしくなってました笑
5. “循環器急性期診療”
・10段階評価
★★★★★★★☆☆☆
・読破 ×
・感想
今回の記事は評価高い参考書が多いですね笑 この参考書はあまりオススメ参考書などで検索しても出てこない参考書ですが、INTENSIVISTという急性期治療についての有名雑誌の循環器の部分を集めて、足りない部分を執筆したという参考書です。
最近のエビデンスを踏まえて、急性期治療について議論しており、サムスカやhANPなどかなり使用されているけど今エビデンスとしてはどこまで蓄積されているのかといったかなり踏み込んだ解説をしてくれます。
知的好奇心に任せて読んでましたがその後ガイドラインを読んで、これを読む前に各ガイドラインを読むべきだったと反省しました。
”急性心不全治療ガイドライン(2011年改訂)”
”ST上昇型心筋梗塞の診療に関するガイドライン(2013年改訂)”
こういったガイドライン・日本での標準的な治療についてちゃんと理解した上で、このガイドライン発行から現在までに変わってきた治療のエビデンスについて、この「循環器急性期診療」で確認する、といった勉強法の方がよかったなと思いました。
それでも、最新のエビデンスとか大好きな人は読むと面白い参考書だと思います!!
6. “カテーテルアブレーションの基本とコツ”
・10段階評価
★★★★★☆☆☆☆☆
・読破 半分
・今回、不整脈グループで毎週アブレーションを見まくるということで、数時間ぼーっと突っ立っているのがいやだったので原理くらい勉強しようと購入しました。
アブレーションの概念や、CARTOシステム、またアブレーション前にはどういった検査が必要で何をみているのか、術中・術後はどういった合併症があり気を付けるべきか、というところも言及されていて、病棟をみる上でも役に立ったので読んでよかったです。
ただマニアックなので、循環器志望の人以外には全く勧めません笑
あとよかったのは、アブレーション前にこの参考書を読んで予習してたら、
「え、君循環器志望でもないのに、これ買って読んでるの?笑」とビビられて、その後メッチャ説明してもらえて気に入ってもらえたことくらいですかね笑
7. “絶対わかる心エコー”
・10段階評価
★★★★★★★☆☆☆
・読破 半分
・感想
心エコーの勉強は、理解している人に説明してもらいながら教えてもらう、これに尽きます。
しかし、教えてもらったことを復習したり、思い出したり、心エコーのレポート読んで「これどういう意味だったかな?」と思ったりした時に、参考書があるとかなり便利です。効率が違います。
そういった意味でこの参考書は分かりやすくて、レポートの値の測り方からその値の意味まで説明してくれて分かりやすいです。
以上、僕が循環器内科を回った時に使用した7冊の参考書について感想を書きました。
2年目ということもあり少し深いところへ手を出したりしていますが、
1~4,7の参考書は1年目の研修医の人たちにもお勧めです。
時々、「耳学問」(上級医から教えてもらう知識)が知識の全て、という研修医を目にします。
やっぱり症例ベースの耳学問はかなり印象に残るし、効率がいいのは僕も感じています。
しかしながら、耳学問の質は、
つく上級医によってメチャクチャ左右されます!笑
時々、死ぬほど優秀で、死ぬほど教育的な、神のような上級医に遭遇し、
死ぬほど賢くなりますが、
それは偶然です笑 ラッキーです。
偶然に左右されず、知識を深めるためには自分で勉強する姿勢も大事だと思います。
一緒に勉強頑張りましょう!
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