当直・救急で役に立った鑑別診断系参考書7冊を、研修医2年目の僕が紹介するよ

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どうも、次郎作こと布施田泰之です。

現在研修医2年目の僕は、福島の郡山市にある太田西ノ内病院というところで働いています。

この病院では、夜間のWalk-in 外来を研修医1年目と2年目の2人で診ており、

検査するも、帰すも、コンサルトするも、入院させるも、時には入院後の指示出しや抗菌薬・点滴・翌日の採血にいたるまで研修医の2人でやるので、

比較的自由度が高い病院だと思います。

 

しかし、当たり前ですが自由には責任が伴います。

 

自分の責任で大丈夫だと思って帰した患者が翌日に緊急入院となっていた時のふがいなさ・申し訳なさは、医師なら誰もが一度は経験することだと思います。

 

特に僕は、研修医1年目を当直のない大学病院で働いていたので、

全く「インフルエンザ」や「急性胃腸炎」、「上気道炎(いわゆる風邪)」の患者すら診たことがないまま、

2年目になり、いきなり救急外来の責任者になったわけです笑

 

初めは、怖い思いをたくさんしました。

その分、誰よりも鑑別診断や当直での対応の勉強をしてきた自負があります。

その時に使った参考書7冊をオススメ度ランキング順に、感想を書いて紹介していきたいと思います。

 

 

同率1位!!

“あなたも名医! もう困らない救急・当直”

・オススメ度

★★★★★★★★★☆

・感想

僕が、絶対1年目の後輩にオススメする参考書で、

研修医1年目で、読むべき当直・救急の参考書第1位です!!

はっきり言って、もっと詳しい参考書や高尚な参考書はこの後紹介するようにいくらでもあるんですが、

1冊目に読む参考書は絶対これにすべきです。

4~6月とかの研修を始めたてのころの研修医なんて「少し医学をかじった素人」です笑

全く知識のない状態から症候学を学んでいくのには、小難しい参考書よりもこの参考書が最適だと思います。

イメージが付きやすいように、図や表を多用しており、にがて君という代弁者が全く分からない人が最低でもおさえておくべき内容を教えてくれます。

その他にも、「頭の使い方」や「失敗例」など色々な工夫が、内容を頭に入りやすくしてくれます。

 

鑑別診断系の参考書の1冊目としては、最強の1冊です。

最近ver.3が出たようなので、これを機に買ってみてください。

 

ただ、鑑別診断を勉強する時にこれ1冊だけで満足しないでください。

「この参考書に載ってない症状に対応出来ない」という悲劇が訪れます。

そのため、僕は多くの鑑別疾患の参考書を参照することをオススメしています。

 

特に、研修医として半年以上すぎた1年目研修医や2年目研修医は、↓次の参考書までは読み込むといいと思います。

 

 

同率1位!!

“救急外来 ただいま診断中!”

・オススメ度

★★★★★★★★★☆

・感想

僕が去年の6,7月からずっと、

「すぐに救急の参考書でスタンダードになるよ!!それくらい、内容も読みやすさも最高!!」

と、言い続けている参考書です。

さすがに、4~6月くらいにドヤ顔でこの参考書持ち運んでる1年目には、上の参考書まず読んでからにしたらとアドバイスしていました笑

内容は深い部分まで書いてくれていて申し分ないのですが、

逆に言えば、僕も何回も読み込んでやっと細かいところまで頭に入ってきたところなので(頭悪いだけ!?笑)、

研修医1年目の1冊目の参考書としては少し難易度が高い可能性があります。

当直を数か月やってある程度症候学が身についたところから参考にしていくと、どんどんと知識を肉付けしていけるのではないかと思います。

でも、実践に即したかなり役に立つ参考書なので、

鑑別診断系の参考書を1冊だけ選べと言われたら、この参考書を選びます。

詳しくは別の記事でも書いています↓

“救急外来 ただいま診療中!” 新進気鋭のオススメ参考書を読んで筆者の勉強会にも行ってきたよ

 

第3位!!

“ジェネラリストのための内科外来マニュアル”

・オススメ度

★★★★★★★★★☆

・感想

実は、去年書いた感想では↑のオススメ度が★8つくらいだったと思いますが、

Walk-in 外来では実際メチャクチャ重宝しているので★9個にレベルアップしました。

↑で紹介した”救急外来 ただいま診断中!”はどちらかと言うと、救急車対応を念頭に置いた内容となっています。

アナフィラキシーショックの対応とか、失神の鑑別、見逃しが出てしまう心筋梗塞やくも膜下出血の注意点、などなど救急車でやってくる患者に焦点を置いています。

その点、この内科外来マニュアルはWalk-in外来、つまり歩いてくる患者への対応を念頭に置いた内容となっています。

walk-in外来の難しいところは「軽症患者の中に、重症患者が紛れ込んでいる」ことです。

基本に忠実に「頻度の高い疾患」、「見逃してはいけない疾患」を整理して書いてくれておりとても参考にしやすくなっています。

上記の2冊の参考書を追随する第3位でした!

 

第4位!!

“キーワードから展開する 攻める診断学”

・オススメ度

★★★★★★★★☆☆

・感想

今年から使い始めている参考書です。

鑑別診断系の参考書で一番困るのは、

「読み込んだ参考書に取り上げられていない症状がきた時」です。

例えば、「咽頭痛」は意外と取り上げてない参考書もありますし、

「便秘」なども意外と書いてない参考書もあります。

この参考書は、僕のイメージではそういった他の参考書が取りこぼした症状に関しても取り上げて詳細に書いてくれており、重宝することがあります。

読みやすさも内容も申し分なく、今年急上昇したオススメ参考書です。

 

 

ちょっと、番外編!!

救急外来で対応していると、

「鑑別はついたけど、あれどうしよう」

ということが多々あります。

 

例えば、呼吸困難を訴えていてひゅーひゅー聞こえている・・・

既往もあるしこれは「気管支喘息だ」と分かったとしても、

事前に勉強していないと、

・メプチン吸入だけでいい?

・ステロイド投与は?ソル・メドロール?

・あれ、アスピリン喘息の時は禁忌じゃないの?そういう時はどうする?

のように対応に困ることがあり、こういったことは鑑別診断系の参考書には書いてありません。

 

僕がそういった時に参考にするのは、次の二つです。

“今日の臨床サポート”

・オススメ度

★★★★★★★★★☆

・感想

これもいつも後輩にオススメする有料サイトです。

今日は評価が甘く見えますが、これも★9つです!!

一応「日本語版uptodate」を目指しているサイトで、各疾患について、日本である程度著名な方がまとめてくれています。

僕も知らない疾患が出た時もまず調べるのはこのサイトですね。

概要と詳細を分けて書いてくれているので、さっと読みたいときは概要のみ読むという使い方も出来ます。

有料ですが、僕はしょうもない参考書買うくらいなら契約する価値あると思います。僕も個人的にお金を払って使っています。

 

もう1つはこちら!

“ホスピタリストのための内科診療フローチャート”

・オススメ度

★★★★★★★★☆☆

・感想

これも今年になってから参考にするようになりましたが、

「蜂窩織炎」どうする?とか、色々と相談に乗ってもらいました。

ある程度疑う疾患が頭に浮かんでから使う参考書なので、最初は鑑別診断を勉強するといいと思います。

 

鑑別診断系参考書第5位!!

“診察エッセンシャルズ”

・オススメ度

★★★★★★★☆☆☆

・感想

こちらも、今まで紹介してきた参考書には載っていないような症状を書いてくれてることもあり、少し上記のものとテイストも違うので、いつもある症状を診た時には一度目を通すようにしています。

少し分かりにくいところもあるので、第一選択ではないですが参考書の選択肢の1つにあるといいと思います。

 

 

第6位!!

“研修医当直御法度 第6版”

・オススメ度

★★★★★★★☆☆☆

・感想

僕が、以前ボロクソに感想を書いてしまった参考書です。

その時と同意見なことは「1冊目に読む参考書として最悪」ということ。

読みにくいし系統だってないし、通読しましたが全く頭に残っていません。

しかし、2年目になって読み直してみると、

「いいこと書いてる!!」んです笑

やっぱり「ピットホールが出来るくらいちゃんと一通り勉強してから読む参考書」ということでいいと思います。

なので、評価を☆7つまで上げてあります笑

 

 

以上、研修医2年目の僕が、

救急外来で苦しみもがきながら勉強してきた時に参考にしている参考書7冊とサイト1つでした!!

 

僕のように救急外来で怖い思いをする後輩が1人でも減るように祈って、しっかり記事を書きました。

 

こんな元気そうなブログをいつも書いていますが、

つらい当直が続いた時に、「当直こわい、当直の日こないで・・・」と願っていたこともありました・・・

 

そんな時に、本当に自分を守って助けてくれるのは「正しい知識」だけです。

いずれ自分の知識が人を救う(正しくは、ちょっとだけ喜んでもらえる)時がきます。

一緒に頑張りましょう!!

 

 

 

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