あけましておめでとうございます、次郎作こと布施田泰之です。
年末年始は2度の当直をこなし、地元に帰れなかったので少し時間が出来たので更新しようと思います。
今回紹介したいのは、研修医生活とは切っても切れない関係の「内科当直」で役に立つ参考書の中でも、
なかなか表舞台に出てこないサブ参考書たちについてご紹介します。
表舞台に出てくる、鑑別疾患系の参考書たちはこの記事↓で紹介しています。
当直・救急で役に立った鑑別診断系参考書7冊を、研修医2年目の僕が紹介するよ
では、まず第一冊目はこちらです!!
”ブラッシュアップ 急性腹症”
・オススメ度
★★★★★★★★★☆
・読み返し度
★★★★★
・読破 〆
・感想
チョーおすすめです。
今回の記事を書いたのは、実はこの参考書を紹介したかったからと言っても過言ではありません。
1年目の間は、別の記事でも書いたような鑑別疾患系の参考書の「腹痛」の項目を読んで、
内科当直にあたっていればいいと思うんですが、
2年目になると、もっと深いところから病態も含めて理解しておくべきかなと思います。
1年目の研修医の方も当直をやってきて、
うすうす気づいていると思います・・・
あれ・・・、腹痛・・・ムズくね・・・?
腹痛は鑑別疾患も多いうえに、外科的疾患や内科的疾患が入り混じり、
緊急オペ症例が含まれることがあれば、時にはみんなが苦手な婦人科疾患も紛れ込んできます。
・比較的若い方の胆石はコレステロール結石が多くて胆汁とCT値同じだよ、だからエコーがいいよ
とか
・腸閉塞は小腸閉塞と大腸閉塞があって、それぞれ原因が全く違うよ。手術歴ない小腸閉塞は何が原因でどういう所見をとるべきかな?
とか
・敗血症がメインの症状でくることも多い急性腹症が2つあるよ、なにかな?
とか
鑑別診断系参考書の「腹痛」だけを読んでいても得られないけど、臨床的にとても大事な内容がかなり盛り込まれています。
内科当直でよくみる主訴の中で一番危険な「腹痛」に関しては、特別に勉強すると良いと思います!
この参考書は読み返し度も満点の、ちょーオススメ参考書です!!!
次は、婦人科疾患の参考書です。
“もう困らない! プライマリ・ケアでの女性の診かた”
・オススメ度
★★★★★★★★☆☆
・読み返し度
★★★★☆
・読破 〆
・感想
救急外来で、若い女性の腹痛の患者さんや腹痛の妊婦さんがきた時に、これまで勉強した鑑別疾患系参考書でも、上記の急性腹症の勉強でも足りなかったので追加で勉強しました。
そもそも、若い女性の腹痛で挙げるべき鑑別疾患が挙げられていなかったことと、その鑑別疾患について勉強することが出来ました。
”女性の救急外来 ただいま診断中!”
・オススメ度
★★★★★★★★☆☆
・読み返し度
★★★★☆
・読破 〆
・感想
上の参考書と共に、婦人科疾患を勉強するのに役立ちました。救急外来とは直接関係ない内容も多いです。
この婦人科疾患の参考書2冊に関しては、別でも紹介したのでこちらも読んでみてください。
”女性の救急外来 ただいま診断中!” オススメ参考書を研修医が読んだ感想
”これだけは押さえておきたい皮膚疾患”
・オススメ度
★★★★★★☆☆☆☆
・読み返し度
★★☆☆☆
・読破 〆
・感想
記事の題名で必須の参考書、と盛りましたが笑、
この参考書を必須じゃないかも知れないです。
当直でよく分からない皮疹に遭遇することがあり、その時調べられる写真いっぱいの参考書を読もうと思って買った参考書です。
外来をしていると遭遇するかもしれない皮膚疾患が99例取り上げられて写真つきで解説してあるので、開業している内科の先生、とかは使えるのかもしれません。
基本的に夜間の外来に皮疹を主訴に来院することは少なく、皮疹系の主訴はあまり緊急じゃないことが多いため皮膚科の受診を勧めて終わることが多いため、そこまで役に立った!という印象はありませんでした。
自分でも、皮疹の原因とか鑑別が知りたい!という人は読んでもいいかも知れません。
以上、マイナー系の内科当直で役立つ参考書たちでした。
やはり最近、いい参考書とめぐりあえるかどうかで勉強の効率が雲泥の差だなぁ、と感じることがあります。
なので自分が読んで勉強になった参考書はちゃんとみんなのもとに届くようにレビューしないとな、勝手に使命感を感じています。
全国で意識の高い研修医たちが僕みたいにあまり収穫の無い参考書も大量に読んでいるのかと思うと、いたたまれない気持ちになるからです笑
僕のレビューだけでなく、他の人の感想も読んでもらって、
「質の高い参考書」で全国の研修医のみんなが勉強できることを願ってます。
それでは、今年もみなさん頑張りましょう!
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突然失礼いたします.中外医学社・企画部の五月女と申します.窪田先生の『ブラッシュアップ急性腹症』をご紹介頂き有り難うございます!同書を担当させて頂いておりますので,大変嬉しく.失礼を省みずコメントさせて頂いた次第です.
同書もブログを元におまとめいただいたものですが,布施田先生の「小児科ブログ」も,いずれ弊社にて単行本化のご検討を頂ければ嬉しいなどと愚考しております.
ますますのご活躍を祈念申し上げます.今後とも何卒宜しくお願い申し上げます.
連絡ありがとうございます。
腹痛の診療に疑問を抱いていたときにこの参考書を読んで、目から鱗が落ちる思いでした。やはり、専門の先生(しかも外科の先生!)の思考回路をここまで説明してくださっている参考書はあまりありません。
とてもためになる参考書ありがとうございます。
僕の小児科ブログにも言及していただけてとてもうれしいですが、僕の小児科勉強ブログは少なくても後期研修の3年間はかかると思うのであまり期待なさらないでください(笑)
布施田泰之