お久しぶりです、次郎作こと布施田泰之です。
最近は音沙汰がなくなってましたが、人知れず臨床と両立させながら英語の勉強も続けていました。
また、8月の頭に久しぶりにTOEFL受けるので楽しみにしててください!
今回は、NICUのローテーション中に参考にした参考書の感想を書こうと思います。
マニュアル系も一通り買って使ってみたので、各々の特徴も書いていきたいと思います。
さっそく紹介に入ります!!
第1位!!!
1位 ”日本版 救急蘇生ガイドライン2015に基づく 新生児蘇生法テキスト”
・10段階評価
★★★★★★★★★☆
・感想
小児科専門医と名乗るなら、NICUの道にすすまないとしても新生児の蘇生は出来る必要があると思います。
成育では後期研修1年目でNCPRの受講が必須ですが、受けにくいところだとしても最初の蘇生に入る前にフローチャートは完全に覚えているとよいです。
内容のボリューム自体はあっさりとしていますが、絶対押さえておかないといけないとても重要な内容なので1位にしました。
第2位!!
2位 ”NICU マニュアル”
・10段階評価
★★★★★★★★☆☆
・感想
以下でも紹介するように、4冊のNICUのマニュアル本を読んだ上で、結局一番詳しく勉強になったのがこのマニュアルでした。
このマニュアルは、施設の垣根を超えて日本全国のNICUの第一線で働く新生児科医が書いたマニュアルのため、やはり内容は詳しいです。
心エコーなども上級医に教えてもらった後、忘れてしまった項目など振り返ってみても一番詳しくて頼りになりました。
ただ、唯一の欠点ともいえるのが「ポケットに入るサイズではない」ことです。
どこかに置いておき、時折参考にする感じで使うことになると思います。
第3位!
3位 ”新生児学入門”
・10段階評価
★★★★★★★★☆☆
・感想
これは、個人的な好みなんですが、病態生理まで理解するのが好きなため上位に入れています。
実務には直結はしないまでも、しっかり読むことでかなり実臨床に知識をフィードバックできます。
去年に第4版の医学的な内容の部分は通読していたのですが、2018年の9月に6年ぶりに新版がでました。
かなり内容が変わっていたので詳しく書くと、
これまでは日本のNICUのパイオニアの仁志田先生がほぼ一人で書いた参考書ということでも特徴的な参考書で、仁志田先生の哲学が体現されたような内容だったのですが、
第5版からは第一線で働いている新生児科の先生も書いていて、より臨床につながるようなスタイリッシュな内容となっています。
呼吸器の項でも、人工呼吸器のモニターの見方や呼吸器の設定についてなども分かりやすく原理から書いてくれてます。
循環の項にいたっては、ほぼ一新してます笑
ただ、改悪されてかというと全くそういうことはなく、むしろ臨床で必要なやや踏み込んだ病態や原理に関するところからの説明がありとても勉強になりました。
個人的には、「仁志田先生の本」から「新生児科の参考書」になってしまったなぁ、と少しだけ悲しくなりました。。。
第4位
4位 ”NICU ベッドサイドの診断と治療”
・10段階評価
★★★★★★★☆☆☆
・感想
意外とネットなどでも情報がないですが、個人的におすすめなNICUの参考書です。
読んでみて感じたターゲット層は「NICUまわり始めの数か月」といった印象で、中心静脈栄養や経腸栄養についても、気になるけど基本的過ぎて他には書いてなかったようなことをしっかり明記してくれていました。
上級医に教わってそんなものかぁと思っていた、日齢・出生体重での標準的な水分量や、末梢のみで管理するときの輸液、高カロリー輸液の組成、経腸栄養の開始や増量についての目安、などなど、1か月もいれば当たり前っしょと言えるような内容も最初はチンプンカンなことが多いと思うので、この参考書を最初から読んでいればなぁと思った参考書でした。
初期研修の時にNICUの経験ほぼないので最初が心配です、という人に特におすすめです。
第5位
5位 ”2015C0STRに基づいた 新生児低体温療法 実践マニュアル”
・10段階評価
★★★★★★★☆☆☆
・感想
新生児の蘇生に入る以上、”新生児仮死”からは絶対逃れることができません。
どんな元気に発育していた胎児でも、出生時のイベントで仮死になりえるからです。
そういった新生児仮死に出会った時に、ちゃんと評価項目を確認しエビデンスに基づいた対応をするために、この本に目を通しておくとよいと思います。
少なくとも、低体温療法の適応の部分は勉強しておきましょう。
第6位
6位 ”新生児診療マニュアル”
・10段階評価
★★★★★★★☆☆☆
・感想
一番有名なNICUマニュアルで、みんながよく困るような内容は基本的に簡潔にまとまっています。
下の東大のマニュアルと、「日本のNICUのポケットマニュアル」の座を争っていますが、どっちも読んでみてどっちがいいという結論は特にありません。
どちらも詳しく書いてある項目、書いてない項目があって、どっちの方が有意に便利だったということはありませんでした。
使い慣れている方とか、施設で周りの人が使っている方、などで選べばいいと思います。
第7位
7位 ”東大病院 新生児診療マニュアル”
・10段階評価
★★★★★★★☆☆☆
・感想
上の神奈川こども病院のマニュアルに比べて、最近出版されたこともあり、より項目立ては明確で分かりやすい印象があります。
外科疾患に関しても若干だけ詳しかった気がしました。
その他は、一長一短な気がしたので、ポケットマニュアルは好きな方を選べばいいと思います。
第8位
8位 ”胎児心拍数モニタリング講座”
・10段階評価
★★★★★★☆☆☆☆
・感想
必ずしも必要ではないですが、知っておくと産科医の感覚や、胎児心拍数図をみてその分娩がどうなりそうかおおまかに予想できるようになります。
成育の当直では、吸引・鉗子分娩と帝王切開の時に蘇生に立ち会います。
この参考書を読んだ後、モニターとパルトグラムなどの記載を見ながらそのお産に呼ばれそうかどうか予想するゲームを勝手にしてたのですが、最後の方はかなり当てられるようになりました笑
まぁ、基本的にはあまり必要ないですね笑
以上です!!!
成育のNICUローテーションは2か月半とやや短めなので、半年くらい回っている後期研修医と比べると、まだまだだなと思うことはたくさんありますが、現時点で勉強になった参考書について感想を書かせてもらいました!
どこかの誰かの参考になればいいなと思ってます。