次郎作です。
僕は、現在タイのシリラート病院で海外臨床実習を行っています。
2か月間の臨床実習のうち、最後の2週間にさしかかったところで、
部屋の貴重品から現金14,000円分が抜き取られていました。
詳しくはこちらの記事に書いています。
“タイで、一万円盗られました。おとり調査して犯人見つけます”
留学や海外旅行を繰り返し、人並み以上の警戒心は持っているはずでした。
それなのに、こんな被害に遭ってお金を無駄にしてしまって、
僕は自分を責めました。
そして、自分の手で犯人を見つけたいと思いました。
上記の記事で詳しく書きましたが、
僕は今回の犯人の手口を、
「僕が被害に気付いていないと分かれば、もう一度犯行に及ぶ」と分析しました。
そして、犯人を「毎日オートロックを解除して部屋を掃除にくる掃除のおばちゃん」と考えました。(理由などは上記の記事を参照ください)
掃除のおばちゃんと僕とは1か月以上の仲で、言葉は通じないもののジェスチャーでトイレットペーパーやタオルをもらったり、すれ違うたびに笑顔で会釈したりしていました。
勝手に仲が良いものだと思っていました。
なので、かなり良心は痛みましたが、
苦渋の選択として犯人を特定するために
「部屋にカメラを仕掛ける」ことにしました。
「掃除のおばちゃんが犯人ではない」と断言するためにも、
「カメラを仕掛ける」ということが必要だと思ったのです。
しかし、言葉をかえれば僕がしていることは「盗撮」なわけで、
気分を損ねる方がいたらこれから先は読まないでください。
これから先は、
「お金を盗まれたんだから自分の部屋にカメラ置くくらい大丈夫」
と僕を応援してくれる人に向けて書いていきます。
僕は今回、「犯人を特定する」ために、
この部屋に3つのトラップを仕掛けました。
みなさんも犯人の気持ちになってどこがトラップなのか真剣に考えてみてください。
最初に伝えておくと、
僕が貴重品を入れていたのは、手前のベッドの隣の台の引き出しの中です。
(もちろん、もうカギをかけたスーツケースの中に移動しました)
ここです。
もう一度、部屋の俯瞰写真を載せます。
さて、どこにトラップがあるでしょうか?
引き出しから白いものが少しだけ見えているのが分かるでしょうか?
紙が1枚はさんであります。
これにより、引き出しが僕以外の誰かによって開けられた場合、分かることになります。
ちなみに、はさむ位置など細かく決めてあったので、犯人が気付いて直しても必ず気付くことが出来ます。
動画に関して調べてみると、iPadやiPhoneでの動画撮影は4GBまでしか撮れず、
時間にして40分ほどしか撮ることが出来ないことが分かりました。
なので、こういったアナログなトラップで、少なくとも貴重品を漁ったことだけは確認しておこうと考えたのです。
そして、その結果がこれです。
完璧に漁られてました。
(写真撮るために開けたから落ちたんじゃないか、というツッコミはやめてください。そんなにバカじゃありません笑)
僕の鼓動がはやまります。
ということは、映像に残ってる可能性がある・・・?
心臓がバクバクしてきました。
人は犯罪の瞬間を感じると、鼓動がはやまる生き物なのかもしれません。
僕は、2つ目のトラップをチェックします。
この写真で気付いた方もいると思います。
これです。
スーツケースの中に、カメラを引き出しの方に向けてiPadを設置しておいたのでした。
こんな風に見えます。
動画は撮れているのか!?
僕は、iPadの動画フォルダを急いでチェックします!
全く何も映っていない・・・
なんだ。
まぁ、そう簡単に映らないよね。
ていうか、1つ目のトラップすら振動とかだけで落ちちゃった可能性もあるし。
まぁまぁまぁ・・・
僕は身体のほてりが、急に冷めていくのを感じました。
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
今、みなさんが感じている違和感を僕がズバリ言い当てましょう。
「じゃあ、記事のトップのこの写真はどうしたんだ!?」
落ち着いてください。
僕はみなさんに「トラップは3つある」と先ほど述べました。
ここです!!
ティッシュ箱に小さな穴を開け、中にiPhoneを入れて動画をとっていたのでした!!
元々はこれが大本命のトラップだったのです。
(データ残量の問題がなければ、本当はこれだけでよかったんだよね)
しかし、僕がiPhoneの動画をチェックするころには、
僕は冷め切っています。
なぜなら「iPadに何も映っていなかったから」
残りのデータ容量的に、iPhoneよりもiPadの方が長く動画を撮れることが分かっていたので、
iPadに何も撮れていないことは、iPhoneにも何も撮れていないことを意味するのでした。
まぁとりあえず、再生してみるか・・・
僕は、ベッドに横になりながら動画を再生しました。
5分ほどすると掃除のおばちゃんたちが入ってきます。
1人目が入ってきた・・・
ん・・・!?
2人目、貴重品の引き出しに直行した!!!
足で引き出しを開け、
え!?
え!?
決定的瞬間すぎる!!!
全く予期していなかった犯行映像だけに、
動画を見ていた僕の心臓が踊り狂います。
え、なんで!?
同じタイミングで撮り始めたiPadには何も映ってなかったのに!!!
え!?
こんな簡単に犯人って見つかるの!?
それより・・・え!?
やっぱり掃除のおばちゃんが犯人だったんだ!?!?
呆然としながら、動画を流し続けていると、
(あれ・・・そこはiPadが置いてあるとこだよね・・・?)
掃除のおばちゃんは立ち上がり、もう1人に向かって何かをしゃべっています。
そう、iPadを指さしながら!!!
どうやら動画を撮られていたことに気付いたようです!
2人で相談が始まります。
タイ語なので何を言っているか全く分かりません。
(もしや・・・これって・・・)
しばらくして、「動画の撮影開始音」と共に、
iPadを元の場所に設置し直しました。
そうか・・・。
こいつらiPadの動画消して証拠隠滅したのか!!!
「ふぅ」
ふぅ、じゃない!!!
最後に
僕は、「犯人を特定し、犯行の瞬間をおさえる」という当初の目的を完璧に遂行しました。
そして、僕は前回の記事で、
「犯人が貪欲で、強欲にもう一度お金を盗りにきたら、証拠動画と共に大学に申し出る」と宣言しました。
・・・しかし、
それはやめておこうかなと思っています。
そもそも僕が警戒心持って、貴重品をスーツケースに入れてカギをかけて保管しておけば、
こんな犯罪起こり得なかったわけだし、
盗撮という犯罪的な行為で得た証拠で「犯罪を証明する」というのも何か矛盾しているような気がします。
失った14,000円は、
海外生活で注意を怠った自分への戒め、
そして、
この記事を読んでいるみなさんへの警鐘、
ということで今回の事件の幕を閉じたいと思います。
みなさんも海外に旅行や留学をされる際は、
ホテルの部屋や寮の部屋を盲信しすぎないようにしてください。
現金だけは、証拠がなく、海外保険も適応外なことから、
どうやっても取り戻すことは出来ませんから・・・
追記
ブログ更新後、各方面から「さらなる被害者を防ぐために大学に伝えることはしたほうがいい」と言われました。
確かに、あとがきで書いた気持ちはあくまで「自分自身」のもので、「次なる被害者」への視点が欠けていることに気付かされました。
なので、お金を取り返すかは別として、大学側にも何らかのアクションを起こして次なる被害者が出ないように対策しようと思います。
ご心配おかけしました。
後輩のみなさんも、来年度は安心してタイのシリラート病院での臨床実習を選択ください。
次郎作
タイ盗難事件の続きの記事
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