次郎作です。
タイで見た症例の中に、腎臓移植後の患者さんがいました。
その時、先生がBKvirusなるものを気にかけてクレアチニンの値を気にしていたので、
まったく聞きなじみのない”BKウイルス”について、論文等を読んで調べてみました。
どうやらBKウイルスのBKとは初めて症例報告された時の患者のイニシャルのようです笑
BKウイルスとは、ポリオーマウイルス科のウイルスで、基本的に腎臓移植後くらいでしか問題になりません。
最近になって、BKウイルスが問題になってきたのは、臓器移植後に強い免疫抑制剤が使われるようになってからで、そこには関連があるのではないかといわれています。
なぜ問題かというと、腎臓移植後にBKウイルスによる腎炎を起こしてしまうとその患者のうち30~60%もが移植失敗という結果に陥ってしまうからです。
単純に免疫抑制を弱めればBKウイルスの感染には効果がありますが、腎臓移植の方への長期的な影響が心配されています。
BKウイルスは、10歳までに95%の人が感染しているようなウイルスです。
その後、尿細管上皮に潜伏感染していて、腎移植や免疫抑制状態の時に問題になります。
また、症状に乏しいことがあるため、クレアチニン値の上昇が大きなBKウイルス感染の指標となります。
腎臓移植の成功率を上げるためには、腎臓移植後は注意してクレアチニンの値をみていく必要があります。
以上、論文からの抜粋でした。
結局、先生の言ってたこと全部あってた。すげぇ、って当たり前か笑
参照論文(リンク付き)
“BK virus Nepphritis after Renal Transplantation”
”BK Virus Nephropathy and Kidney Transplantation”