彼は怒った 〜うさぎの物語の続き〜

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こんにちは、ケンジです。

自分が訪れた国の名前を日本語に直訳してみて、それを見ていたら物語が出来上がてしまった話を覚えてますでしょうか
“スペイン=うさぎ ~国名を日本語に直訳したら物語になった~”

今回はその続きの続きです。

 

 

それではご覧下さい

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

まるまるとした満月が夜明けとともに沈んだのをみると、二匹のうさぎは走り出した。

まずは西へ、そして北へ

 

 

二匹の運動能力は比較的同じくらいだった。

先に一方が疲れたり、先に他方が疲れたりとあまり文句の出ない日が続いた。

 

 

辛かったのは新月の日だ。

月が夜になっても出ないので、決めた規則に沿って彼らは一晩中走り続けた。

 

 

 

そうして走り続けて何回目かの満月が出るか出ないかという時、彼らは海に出た。

月の光を浴びて、まるで銀細工(アルゼンチン)のテーブルクロスがそこにあるかのように波打っている海を見たとき

彼はとても懐かしい気持ちに包まれた。

 

 

そして彼は、少し得意げに、でも同時に少し恥ずかしげに隣にいるうさぎを見やった。

今までに海を見たことのなかったうさぎは、恍惚とした表情を浮かべ、何時間経ってもそこから動こうとはしなかった。

 

 

その時彼がなにをしていたかと言えば、隣のうさぎと一緒になって海を眺めていたわけではなく、

どこか言いようのない不安に襲われていたのだった。

 

 

うさぎはこのまま海に引きずり込まれて居なくなってしまうのではないか。

旅はもうここで終わりなのだろうか。

 

 

この頃になると、彼が2匹での旅に喜びを感じ、楽しんでいることは明確であった。

 

だからこそ生まれ得るそれらの強い不安は、やがて怒りへと姿を変え、直接うさぎの方へ矛を向けた。

 

2匹は喧嘩をした。

爪で引っ掻き、牙で噛み付き、足で体を蹴った。

 

 

 

 

そう長く喧嘩をしていたわけではないだろう。

彼らにとってもそれは長い時間だったわけではなく、

疲れきった体は長い喧嘩を許さなかった。

 

 

そのまま何時間寝たのかもわからない頃、2人は同時に目を覚まし、

海に沿ってひたすらに走り出した。

 

 

 

 

彼はまた1つ学んだのだ。

怒りの後には必ず罪悪感がやってくることを。

 

 

彼は今、隣のうさぎを無理やりに走らせてはしないかと不安に思っていた。

昨日自分が怒りを表現してしまったがために、うさぎは今走っているのだろうか。

 

怒りの後には必ず罪悪感と後悔がやってくるんだな。

そう彼は頭の中に刻み込んだ。

 

 

 

 

そうこうしているうちに、海はその幅を狭め、対岸が見えるほどになってきた。

実は2匹がついた海岸は、川の河口からすぐの場所で、北に向かって少し走ればそこはもう川になるという場所だったのだ。

 

 

続きます

 

(Photo by flickr)

 

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