いま現在、地域医療研修の一環としてとある町の訪問診療所で働いています。
そこで実際に患者さんのお宅に伺って診療行為を行うのですが、
在宅医療に興味を惹かれて、一冊読んでみました。
今から18年も前に、愛媛県松山市で訪問診療専門のクリニックを開設し、その領域では先駆者の位置を占める、永井康徳先生の著書です。
この本では、なぜいま在宅医療を推進する必要があるのかという、根幹の部分を改めて勉強できたことが良かったと感じています。
そして、永井先生の述べている根幹とは、
「2030年には、約60万人分のベッドが不足する」
「60万人の方には亡くなる場所がない」
という文章に表れているのではないかと理解しました。
超高齢社会の後に訪れる、多死社会、つまり今後は平均寿命で亡くなる方々が増えることから、国全体としての死亡者数は増える社会が予想されます。
その患者さんたちを受け入れるためのベッド数は、このままでは60万床不足すると言われていますが、国全体の方針として、病床数を増やすことはもうありません。
つまりその人たちの最後の場所を自宅にもとめなければならない時代に突入するのです。
もちろん、これは病院で亡くなるご希望をお持ちの患者さんたちを、無理に自宅に帰さなければならないということではなく、実際に患者さんが最後の時間を過ごす場所として自宅を望むケースが多いという、データの裏付けも示されていました。
そして、それをサポートするために在宅医療、あるいはそれを含めた包括的地域ケアというものの拡充が絶対的に必要であるということです。
このように理念的な部分を学べたことが、研修をより良いものに変えてくれたと感じていますし、またそれ以外にも経営者的な目線から、訪問看護・訪問介護サービスとの付き合い方なども述べられている点が興味深かったです。
皆様も是非ご一読ください
川良健二
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