あなたは、
100万円もらえばおでこに企業の広告の刺青をいれるだろうか
有名人の死を対象とした賭博を楽しめるだろうか
感動的な結婚式のスピーチをお金で買うだろうか
では、
いったいどこに「市場原理」の限界はあるのだろうか
教育の現場や医療の現場など、市場原理が入り込んではいけない「聖域」は存在するのだろうか
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僕は「それをお金で買いますか」という本を読んで、
いつの間にか答えの見えない鬱蒼とした森の中に迷い込んだ気持ちに襲われた。
いや、もしかしたらそのような迷いの森に元々佇んでいたことに気付かされただけかもしれない。
同じ気持ちに襲われたことが以前にもあった。
この本の著者”マイケルサンデル”の“ハーバード白熱教室”の講義を見た時だ。
“これからの「正義」の話をしよう”
ベストセラーになったこの本を読んだことがある人も多いだろう。
(ちなみに、読むなら圧倒的に↓こっちの講義録の方を勧めるが)
個々の具体的な事例から哲学的問題を抽出し、
それについての歴史的哲学者の考えを紹介し、その上で議論を行う。
“ハーバード白熱教室”で行われる講義は1回1回が興味深く、自問しながら食い入るように聴いた。
その講義で、彼は答えを明示しない。
もちろん答えなどないからという理由もあるが、
何より個々人が考え,悩み、他者と議論を尽くすこと、その事自体を良しとしているからだと思う。
そして、今日読んだ「それをお金で買いますか」も同じような構成であった。
市場主義が行き過ぎているのではないか、
市場主義が入り込んでいい領域やダメな領域はあるのか、
いったいなにが売り買いして良いものでなにがしてはいけないものなのか、
という物議を醸すような問題を具体例を持ち出し、
社会にどう受け入れられ,時にはどう拒絶されたかを書いている。
僕が文頭で問いかけたことは本書の中で議論されている内容の一例である。
そして、全てを読み終え本を閉じると、
周りに多くの未解決な問題が転がっていることに気付く。
そして、気付いてしまった以上、
考え、問いかけ、答えを求め続けずにはいられなくなるのだ。
そんな知の迷宮に迷い込みたい人にオススメです笑
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