Wang, Yeming, et al. “Remdesivir in adults with severe COVID-19: a randomised, double-blind, placebo-controlled, multicentre trial.” The Lancet (2020).
【この論文を一言でまとめると】
F<(アブストラクトのconclusionを書くイメージ)
中国の武漢の10施設で行われたランダム化比較試験の結果、
統計学的有意な、臨床所見の改善までの時間の短縮は見られなかった。
こちらも統計学的有意差さえ出なかったが、症状出現早期に治療開始した場合は効果があるかもしれない。
【Methods】
[場所/施設]
中国の武漢にある10個の病院
[Patients]
RT-PCRでSARS-CoV-2の感染が診断され、肺炎の画像所見があり、SpO2 94%(room air)かP/F ratio 300mmHg以下で、発症から12日の18歳以上の大人
[Intervention]
レムデシビルの静注 10日間
[Comparison]
プラセボの静注 10日間
[Outcome]
臨床所見の改善までの時間
(6段階評価で2段階の改善が見られたor生きて退院した、のいずれか早い方までの時間)
[デザイン]
多施設のランダム化比較試験(a randomised, double-blind, placebo-controlled, multicentre trial)
【結果まとめ】
F<(対象になった症例数や、対象の群の特徴)
・2020/2/6-3/12に、237人がランダム化の対象となり、2:1の介入群158人と79人のプラセボ群に分けられた。
・研究対象者の年齢の中央値は65歳(四分位範囲 56-71歳)、発症から治療介入までの日数は中央値で10日(9-12日)だった。
F<(結果を、95% CIを意識して書く)
・臨床所見の改善までの日数は、レムデシビル投与群(中央値 21.0日 [四分位範囲 13.0-28.0日])とプラセボ群(中央値 23.0日 [四分位範囲 15.0-28.0日])で、有意な違いは見られなかった(Hazard Ratio 1.23 [95% CI 0.87-1.75])。
・発症から10日以内に治療が始まった症例に限って解析すると、こちらも統計学的な有意差は出なかったが、レムデシビル投与群の方が(中央値 18.0日 [四分位範囲 12.0-28.0])、プラセボ群に比べて(中央値 23.0日 [四分位範囲 15.0-28.0])と、臨床所見の改善までの時間が短い印象であった。
・重大な副作用は、レムデシビル投与群で28例(18%)、プラセボ群で20例(26%)であり、副作用のために薬剤の使用を中断したのは、レムデシビル投与群で18例(12%)、プラセボ群で4例(5%)だった。
F<(最後に1文、論文の最後に書いてあるconclusionの内容をいれる)
・この研究から筆者らは、統計学的な差は出なかったがいくつかの測定項目ではレムデシビルは効果がある可能性があり、追試験をしたり、他の治療と組み合わせた時の効果を検証したりしていくべきだ、と述べた。
[Limitation]
F<(discussionで述べられる筆者によるlimitationを書く)
・武漢でのCOVID-19の流行が収束し、計算したサンプルサイズまで症例を集めることができなかった。それにより検出率が80%から56%に落ちている
原文は、こちら